2021年解答例・解説 口頭試問 1

口頭試問

2021年の麻酔科専門医試験 口頭試問の過去問解説を行っていきます。

公式解答は発表されておりませんので間違い箇所がございましたらお問い合わせ欄もしくはTwitterのDMより指摘いただければ助かります。

日本麻酔科学会公開の専門医試験過去問はHPから御覧ください(日本麻酔科学会HP)。

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心室細動(VF)です。

胸骨圧迫をA先生に代わって、追加の応援を急いでよんできてください!
マスク換気は僕がやります!
看護師さん、除細動器、救急カート(アドレナリン、喉頭鏡、挿管チューブ、点滴ルートなど)を急いで持ってきてください!

120~200J 非同期でDCをかけます。
心電図波形が戻らない場合は、すぐにCPRを2分間継続し、2回目のDCを行います。
2回目のDC、波形チェックの後、戻っていない場合は再度CPRを開始し、アドレナリン1mgをivします。
3回目のDC、波形チェックの後、戻っていない場合は再度CPRを開始し、アミオダロン300mg や リドカイン 1~1.5mg/kgを投与します。

①初めからビデオ喉頭鏡を使用して,複数の人間で気管挿管を確認する。
②チューブの曇りや聴診での肺音を複数の人間で確認する。
③カプノメーター付きのモニターでカプノグラムを確認する。
④ポータルブルレントゲン撮影を依頼する。

アドレナリン 1mg を投与し,すぐにCPR再開します。

麻酔科当直の〇〇です。
急変の連絡を受けて病棟に呼ばれ,、私が到着した時には心臓が正しく動けておらず、呼吸もできていない非常に危険な状態でしたので、心肺蘇生を行いました。
その結果、現在、自己心拍が再開しておりますが、まだ状態が安定したとは言えませんので呼吸するための管を入れたまま、慎重に経過を見ていきます。
また、心肺蘇生中に誤って気管に入れるべき管を一度食道に挿入してしまいましたが、直ぐに気がつき適切に気道に入れましたので、それによる状態悪化はないと思います。
主治医は現在病院に向かっておりますが、まだ到着しておりません。
私の方で現在こうなってしまった原因を検査中ですので、何か状況に進展がありましたら、すぐにお知らせ致します。
数日前から腹痛があったということでそれが原因の場合、これから手術ということ可能性としてはありえます。
ご不明点等ございましたら、いつでも聞いてください。
引き続きよろしくお願いいたします。

① ICUに入室します。具体的にはモニター装着、人工呼吸下に管理します。再度急変する可能性があるからです。
② 手術の前準備:具体的には、動脈ライン,太い静脈路、中心静脈ライン(UKカテーテル)の確保をします。 素早い麻酔導入を行うためです。
③ 輸血の準備:具体的には輸血部に連絡しオーダーします。貧血、凝固異常もあり輸血の可能性が高いためです。

① 麻酔法は全身麻酔で行います。麻酔薬はミダゾラム、フェンタニル、ロクロニウムで行います。
② 循環管理は、細胞外液の輸液、輸血により血管内容量を保ち、貧血や凝固能を是正します。循環作動薬としてはノルアドレナリンの持続投与継続,必要に応じてバソプレシンの持続投与を考慮します。
③ 呼吸管理は、肺保護換気を行います。具体的には、一回換気量 4~6ml/kg、高すぎる気道内圧を避ける、血圧を保てる範囲でPEEP付加するなどです。
④ その他の配慮としては、pHが7.1を下回るようなら、炭酸水素ナトリウムの投与などで補正し、電解質異常、血糖異常も適宜補正します。

① 低血圧:改善方法としては、細胞外液の急速輸液、ノルアドレナリンの持続投与、バソプレシン投与の考慮があります。
② ARDS:改善方法としては、FIO2 はこれ以上上げられないので、PEEPを上昇させます。
③ 高い気道内圧:改善方法としては、PCVによる管理に変更するか、1 回換気量を下げるなどで気道内圧を下げる
④ auto-PEEP:改善方法としては、1 回換気量、呼吸回数を下げ、呼気時間を延長させる。

①敗血症性ショックの対応
②ACLSのフローチャート
③食道挿管の対応
④家族への説明
と割とオーソドックスな問題だったのかなと思います。
何度も声に出してスラスラ出てくるようにしておきましょう‼️

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