2022年解答例・解説 口頭試問 1-1

口頭試問

2022年の麻酔科専門医試験 口頭試問の過去問解説を行っていきます。

公式解答は発表されておりませんので間違い箇所がございましたらお問い合わせ欄もしくはTwitterのDMより指摘いただければ助かります。

日本麻酔科学会公開の専門医試験過去問はHPから御覧ください(日本麻酔科学会HP)。

DL方法:ログイン⇨認定施設申請⇨過去問(口頭試問) 

方法
-1) 3〜5分間の十分な純酸素投与を行う
-2) マスクを密着させて深呼吸を促す
-3) 頭高位にして酸素化を改善する

観察項目
-1) EtO₂を観察する
-2) マスクが適切にフィットしているか確認する
-3) リークがないか確認する

EtO2 93%程度
解説
呼気終末CO2分圧を40Torrとすると、
(760- 47- 40/0.8)/760-47 *100 ≒ 93%

-1) 二人法で換気を試みる
-2) マスクバンドを使用して換気を試みる
-3) 筋弛緩薬を投与して換気を試みる
-4) 経鼻または経口エアウェイを挿入して換気を試みる

原因
-1) 緩徐導入による浅麻酔が原因で声門閉鎖が起こる

対策
-1) 100%酸素で陽圧換気を行う
-2) 筋弛緩薬を投与する
-3) Larsonʼs手技を行う(下顎挙上しながら、両手の中指で laryngospasm notch〔耳たぶの後ろ〕を強く押す)
-4) プロポフォールなど鎮静薬を投与し、過度の刺激を抑える

原因:声門上右側にチューブがひっかかり進まない。喉頭室に先端が迷入している。
解決策:一度チューブを引き抜いて喉頭展開を再度行い、チューブ先端が見えるように再度トライする。

声帯の両側の隙間にあるのが喉頭室です

大腿神経は大腿動脈の外側に位置し、腸骨筋膜の下層に位置します。

参考サイト:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/33/4/33_598/_pdf

大腿神経は大腿動脈の外側に位置し、腸骨筋膜の下層に位置します。

-1) 高度肥満かつSAS合併により、術後の舌根沈下や無気肺による低酸素血症に注意する。対策として頭高位、十分な覚醒、CPAPの使用、早期リハビリ開始を行う。
-2) 挿管時の声門損傷により嗄声や声門閉鎖のリスクがある。対策として抜管後に聴診で上気道閉塞を確認し、必要に応じて気管支ファイバーで声門の動きを評価する。

麻酔の担当をした〇〇です。麻酔の導入の際に挿管チューブという呼吸をするための管を入れる際に時間がかかりました。その際に声門の付近で多く操作したため声門を傷つけてしまった可能性があり、それが原因で喉のかすれなどの症状が出ている可能性があります。耳鼻科の先生にも診てもらって、共に経過を見させていただくことになると思います。いつ治るかといった断定的なことは言えないですが、共に経過を見させていただきます。