2021年解答例・解説 口頭試問 2

口頭試問

2021年の麻酔科専門医試験 口頭試問の過去問解説を行っていきます。

公式解答は発表されておりませんので間違い箇所がございましたらお問い合わせ欄もしくはTwitterのDMより指摘いただければ助かります。

日本麻酔科学会公開の専門医試験過去問はHPから御覧ください(日本麻酔科学会HP)。

DL方法:ログイン⇨認定施設申請⇨過去問(口頭試問) 

-1) Apgar スコアの確認
-2) 気管挿管歴の有無
-3) 先天性心疾患やその他の合併奇形の有無
-4) 先天性声門下狭窄の有無
-5) 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の有無
-6) 家族の喫煙歴の有無

解説

-1) 出生児の体重、身長
-2) 呼吸管理の有無 (酸素投与, CPAP 気管挿管など)
-3) 現在の風邪症状 (咳や鼻汁など)
-4) 喘息の既往, 喘息様発作の有無
は今回、問題文に既出でしたね。
頻出問題なので、小児の術前診察の確認事項はすぐ出てくるようにしておきましょう。

-1) 現在の活動度を確認する
-2) 精神発達遅滞の程度を確認する
-3) 合併する心奇形などの有無を事前に確認する
-4) 両親の立ち会いを行うか検討する
-5) 確保しやすい静脈路を確認する
-6) 適切な気道評価を行う
 ・頸椎不安定性の有無
 ・舌肥大、短頸、小顎の有無
 ・先天性声門下狭窄の有無
 ・睡眠時無呼吸の有無
 ・扁桃肥大の有無やその程度

麻酔導入方法:セボフルランによる緩徐導入で全身麻酔を行います。
麻酔維持:AOS + レミフェンタニルで維持します
術後鎮痛:アセトアミノフェン + 腹直筋鞘ブロックで行います。

腹直筋と腹直筋鞘後葉の間に投与します。
麻酔薬としては、0.25 %レボブピバカイン or 0.2 %ロピバカインを 片側0.3ml/kg 程度ずつ投与します

-1) アナフィラキシーショック
-2) 緊張性気胸

-1) 被疑薬を中止する
-2) 100%酸素を投与する
-3) 応援を要請する
-4) 輸液負荷を行う
-5) 胸骨圧迫を開始し、必要に応じて CPR を行う
-6) アドレナリンを投与する
 ・0.3 mg 筋注
 ・または 0.1 mg 静注

解説

アナフィラキシーショックの対応も頻出問題ですね。
スラスラ言えるようにしておきましょう。

優先順位は低いですが、抗ヒスタミン薬、ステロイドの投与も忘れず投与しましょう。

今回のショックは抗生剤か筋弛緩薬によるアナフィラキシーショックの可能性が高いと思います。
CPRからのROSC直後なので、一旦OPEは中止し、仕切り直して、今回はこのままICUに入室するのが良いと思います。
今回OPEを続行したい気持ちも十分わかりますが、被疑薬の検索を行った上で再調整しましょう。

-1) 採血でヒスタミンやトリプターゼ値を測定する
-2) プリックテストや皮内テストを行う

参考サイト:アナフィラキシーの対する対応