2021年解答例・解説 口頭試問 4

口頭試問

2021年の麻酔科専門医試験 口頭試問の過去問解説を行っていきます。

公式解答は発表されておりませんので間違い箇所がございましたらお問い合わせ欄もしくはTwitterのDMより指摘いただければ助かります。

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① 頭痛、嘔気症状があるので、導入時、麻酔維持中の誤嚥に注意します。
② CTにてmid line shiftがあり、頭蓋内圧亢進症状もあるので、hypercapniaを避けて管理します。

導入前酸素化:体位は頭高位(またはランプ位)とし、高濃度酸素を 3分以上吸入してもらう。
導入方法: 本人には前もって説明した上で、意識下ファイバー挿管を行います。4 %リドカインを用いて口腔、咽頭の表面麻酔を
数回に分けて行いながら、フェンタニル少量ずつの投与で導入し、挿管を確認後、プロポフォール、ロクロニウムを投与します。
使用物品・準備: 換気・挿管困難が予測されるため、マックグラス、DAM カート(声門上器具、エアウェイファイバー、ブジー、輪状甲状膜穿刺キットなど)を前もって準備します。

①応援要請をします
②2人法での換気を試みます。
③ラリマなどの声門上器具を用いて換気を試みます。
④輪状甲状膜穿刺キットを準備します。
⑤スガマデクスによる自発呼吸の回復も検討します。

まず、挿管チューブを入れたいサイズを先端の方にして、スリップジョイントを外し、
その内腔に小さめのチューブを中に挿入し、二つを繋げます。
次に、そのチューブ内にファイバーを通し、ファイバーガイド下にラリマの中を通過し気管に挿入します。
ファイバーで挿管確認後、ファイバーと声門上器具を抜去します。

① マンニトールを投与します
② 頭高位にします
③ 軽度過換気にします
④ PEEP を下げます
⑤ 揮発性麻酔薬を避けて他の鎮静薬を使います

①静脈麻酔薬:脳血流量を減少させる
②軽度過換気:CO2による脳血管拡張が抑制され、脳血流量が減少する
③逆トレンデレンブルグ位:胸腔内圧の低下、頭部からの静脈還流の増加により、脳血流量が減少する。
④PEEP を低下:胸腔内圧が低下し頭部からの静脈還流が増加することにより脳血流量が減少する。
⑤浸透圧利尿薬:浸透圧勾配により脳実質から水分を血管内に移動させ、利尿を通して体外に排出することで脳圧を低下させる。

空気塞栓を疑います。

対策としては、術野を生食で満たし、頭低位にします。
TEEを挿入して確認します。
CVカテーテルから吸引を試みます。

脳実質の損傷を伴う頭蓋内疾患では血液脳関門(BloodBrain Barrier)の機能が損傷部位において破綻し、
透過性亢進により水分や膠質が過剰に脳実質に移行しやすく脳浮腫が生じやすくなってしまうからです。

① 術後の痙攣リスクが高いので、抗痙攣薬(イーケプラなど)の投与を行います。
② 睡眠時無呼吸症候群(SAS)があり、術後の無呼吸、酸素化低下に注意します。
③ 導入時に挿管、換気困難であったので、十分ICUに申し送りをし再挿管がいつでもできるように声門上器具、気管支ファイバーなどの万全の準備をしておきます。
④ 術後の再出血に注意します

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