2023年解答例・解説 口頭試問 1-2

口頭試問

2023年の麻酔科専門医試験 口頭試問の過去問解説を行っていきます。

公式解答は発表されておりませんので間違い箇所がございましたらお問い合わせ欄もしくはTwitterのDMより指摘いただければ助かります。

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(A) 肥満(BMI 34)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の既往やいびきの有無、CPAP使用などの有無を確認。

(B) 肺疾患・呼吸機能低下のリスク
「日常生活での呼吸困難感(階段昇降時の息切れなど)」や「在宅酸素療法の有無」「喫煙歴・呼吸器症状の悪化状況」などを確認。

(C) 既往歴
「糖尿病コントロール状態(HbA1c, 治療内容)」「高血圧のコントロール状態、服薬状況」「前回手術時に麻酔や手術でトラブルがなかったか」などを確認。

解説

(A) 肥満(BMI 34)による合併症リスク・気道管理リスク
問題点: 肥満は気道管理(マスク換気や挿管)の難易度を上げる可能性が高く、また肥満関連疾患(高血圧、睡眠時無呼吸症候群など)を合併していることも多い。
術前面接で確認すべき点(例)
「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の既往やいびきの有無、CPAP使用などの有無」を確認し、気道確保や呼吸管理が難しくなる要因がないかを把握する。

(B) 肺疾患・呼吸機能低下のリスク
問題点: 既往として「肺腺癌の手術歴」や今回再発が疑われる状態があり、かつ左肺の病変がありそう。肺機能低下や片肺換気が必要となる場面で、酸素化に問題が生じやすい。
術前面接で確認すべき点(例)
「日常生活での呼吸困難感(階段昇降時の息切れなど)」や「在宅酸素療法の有無」「喫煙歴・呼吸器症状の悪化状況」などを確認し、術中の肺合併症リスクを予測する。

(C) 既往手術(腹腔鏡下下葉切除・膵腫瘍手術など)・合併症
問題点: 胸腔内手術(左肺手術歴あり)、腹部手術歴(膵腫瘍手術など)があると、癒着や解剖の変化が起こっている可能性が高い。また糖尿病・高血圧などの生活習慣病がある(術前情報に「糖尿病」「高血圧」などが記載)。
術前面接で確認すべき点(例)
「糖尿病コントロール状態(HbA1c, 治療内容)」「高血圧のコントロール状態、服薬状況」「前回手術時に麻酔や手術でトラブルがなかったか」などを聞き取り、周術期管理のリスクを把握する。

(1) 右側に弯曲した気管
(2) 急な角度で分岐する左主気管支

代替方法
(1) 右側用ダブルルーメンチューブの使用
注意点
右上葉気管支が本管支から浅く分岐しているため、上葉の虚脱や不十分な換気を引き起こさないように、気管支ブロック(カフの位置)の確認を慎重に行う。


(2) 単腔チューブ+ブロッカー
注意点
ブロッカー先端の位置ずれが起きやすい(特に体位変換時など)。
虚脱させにくい。
分離肺換気の立ち上がりがダブルルーメンチューブに比べて遅い場合がある。

(1) アナフィラキシーショック
(2) 緊張性気胸
(3) 気管支痙攣

緊急脱気(胸腔穿刺)

第2肋間胸骨縁(鎖骨中線付近)に大径(14G程度)カニューレを刺入し、迅速に陽圧を開放する。
その後、胸腔ドレーン挿入(第4〜5肋間前腋窩線または中腋窩線での安全三角を目標)を行い、持続的に排気・排液する。

解説:手技の注意点

血行動態が極端に破綻している場合は、まず穿刺による減圧を最優先に行う。
余裕があれば超音波ガイド下に安全に行うが、時間がないときはランドマークを確認の上、素早く穿刺する。
ドレーン留置後、エアリーク状況・肺の再膨張を確認しつつ、必要に応じて肺瘻修復や麻酔管理の調整を行う。

(1) 胸部傍脊椎ブロック
(2) 肋間神経ブロック

肋間神経ブロック (Intercostal nerve block)
肋骨下縁の直下付近(肋間神経は肋骨下縁を走行)、さらに内肋間筋と最内肋間筋の間を走る神経血管束を狙う。

傍脊椎ブロック (Paravertebral block: PVB)
椎体, 上肋横突靱帯, 壁側胸膜に囲まれる部分に注入します。
肋間アプローチでは、脊椎横突起と内肋間膜をエコーで、針先が内肋間膜を貫いたところで薬液を注入し、壁側胸膜の腹側移動を確認する。

参考文献:傍脊椎ブロック (Paravertebral block: PVB)

麻酔を担当させていただきました麻酔科〇〇です。術前にご説明していた硬膜外穿刺についてですが、予想以上に難航し、適切な位置に留置することができませんでした。その際の穿刺が原因かは明確ではありませんが、麻酔中に緊張性気胸と呼ばれる、肺に小さな穴が開く状態が発生しました。呼吸の維持が必要となったため、緊急で対応いたしました。
鎮痛方法に関しましては、別の神経ブロックという効果的な手法を採用させていただきたいと考えています。ご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

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