2024年の麻酔科専門医試験 口頭試問の過去問解説を行っていきます。
公式解答は発表されておりませんので間違い箇所がございましたらお問い合わせ欄もしくはTwitterのDMより指摘いただければ助かります。
日本麻酔科学会公開の専門医試験過去問はHPから御覧ください(日本麻酔科学会HP)。
DL方法:ログイン⇨認定施設申請⇨過去問(口頭試問)
問1 解答例
-1) 頸椎病変(環軸椎亜脱臼など)
-術前に確認すべき内容:頸椎可動域・不安定性の程度、画像所見(MRI, X線)で頭蓋頸椎移行部のずれを評価する
-2) 肺病変(間質性肺炎や胸郭変形による呼吸制限)
-術前に確認すべき内容:呼吸機能検査や画像診断で間質性肺炎の活動性の評価
-3) ステロイド使用による副腎機能不全・感染リスク
-術前に確認すべき内容:ステロイド投与量や期間、ステロイドカバーの必要性、感染兆候の有無
問2 解答例
-1) 環軸椎亜脱臼
-2) ストレートネック
問3 解答例
-方法:Awakeにてファイバースコープ挿管またはビデオ喉頭鏡を用いた挿管
-理由:頸椎可動域に大幅な制限と不安定性があり、過度の伸展やマニュアル手技による損傷リスクが高いから。意識下挿管により自発呼吸を確保しながら頸椎を最小限に動かして安全に挿管を行います。
問4 解答例
-最も考えられる原因:大量出血
問5 解答例
-麻酔科医への指示(3つ)
1) 急速補液、輸血
2) カテコラミンなどの昇圧薬使用
3) メイロン投与
-整形外科医・コメディカルへの指示(3つ)
1) ガーゼパッキングなどの早急な止血のお願い
2) 追加の輸血のオーダー、在庫の確認
3) 手術の方針決定
問6 解答例
1) 緊急開腹止血手術
-欠点:体への侵襲が大きく、術後回復遅延のリスク高。また時間がかかり、麻酔負担がさらに増す
2) IVR(血管塞栓術:Interventional Radiology)
-欠点:カテーテル室への移動リスクが高く、不安定な患者を搬送する間に状態が悪化する可能性
3) ガーゼパッキングによるダメージコントロール
-欠点:根本的止血ではなく、一時的な圧迫であり、後日再手術が必要。出血源特定が曖昧になる場合も
問7 解答例
1) ただちにCPRを開始
2) ガス麻酔などの血圧を下げる要因の薬の停止
3) 急速輸血・輸液
4) エピネフリン投与
5) 周囲スタッフへの役割分担:応援要請、記録、タイムキーパー、除細動器待機など