2024年解答例・解説 口頭試問 3-2

口頭試問

2024年の麻酔科専門医試験 口頭試問の過去問解説を行っていきます。

公式解答は発表されておりませんので間違い箇所がございましたらお問い合わせ欄もしくはTwitterのDMより指摘いただければ助かります。

日本麻酔科学会公開の専門医試験過去問はHPから御覧ください(日本麻酔科学会HP)。

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 -1) 高齢、低栄養状態
全身麻酔中に循環動態が不安定になりやすく、術後の回復が遅れるリスクがあります。

 -2) 認知症があり、暴力的な行動が見られる。
術後にせん妄が発生するリスクがあります。

 -3) 誤嚥性肺炎の既往
周術期に誤嚥性肺炎を再発するリスクが高まる。

 -4) 血小板数が低下(11万/μL)、抗血栓薬の使用歴
術中の大量出血のリスクがあります。

 -5) 腰椎に高度な変形
硬膜外麻酔や脊髄くも膜下麻酔が困難になる可能性があり、穿刺ミスや神経損傷のリスクがあります。

 -6) 左室肥大や軽度の弁疾患(MR/AR)
麻酔中に血行動態が不安定になり、低血圧や心負荷の増加、心不全の悪化のリスクがあります。

 1) 術式について(指示棒説明)
  - 髄内釘(γネイル・PFNA)は、大腿骨近位部(転子下)から大腿骨髄腔内に釘を挿入し、頸部・転子部を固定する術式。術後X線では髄内に長い釘が入っており、大腿骨近位(大転子付近)から骨頭頸部側へスクリューが向かって固定されている像が見られる
 2) 出血イベントにつながりうる操作(2つ)
  - (1) 大腿骨近位部へのガイドピン挿入時: 内側に突き抜けると内腸骨動脈枝などからの大出血リスク
  - (2) 髄内にリーミング(骨髄腔を掘削)する工程: 骨内出血のリスク

BW 40kgと小柄であり、総血液量は体重の8%とすると3.2L程度。
術前Hbが8.5とあるので、術後Hbを8まで許容できるとすれば、150ml程度は許容できます。
輸血開始まではアルブミン製剤などを投与し、血液ガス分析を適宜実施し総合的に輸血の判断をします。

変更します。食道か胃のオペをしたのか胸部レントゲンにて胃泡が見えます。
気管もかなり偏位してるので声門上器具がフィットしにくい可能性もあり、誤嚥の可能性も高まるので、
迅速導入で気管挿管を行います。

 -想定疾患: アナフィラキシーショック
 -ただちに確認する所見:
  1) 皮膚所見(紅斑、蕁麻疹、皮膚膨疹、発疹、口唇腫脹など)
  2) 聴診にて喘鳴や呼吸の左右差を確認
  3) 心電図にてST上昇などの変化がないか確認

 1) 100%酸素投与
 2) アドレナリン筋注 or 静注
 3) 急速輸液

 - (例)「10 mLシリンジを用意し、生理食塩水9mLにアドレナリン1 mgアンプル(1mL)を混ぜて100 µg/mL溶液を作ってください。そのうえで、1 mLをゆっくり静脈投与してください。

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