2023年の麻酔科専門医試験 筆記試験の過去問解説を行っていきます。
日本麻酔科学会公開の専門医試験過去問はHPから御覧ください(日本麻酔科学会HP)。
問1 解答例
・ 最終飲食の時間
・ 現在のバイタルサイン、意識レベル
・ 一般気道評価、
・ 画像での胃内容確認
・ 敗血症の評価(SOFAなど)
・ 血液ガス
・ COVID-19簡易検査
問2 解答例
・ ショック状態: 輸液負荷、ノルアドレナリンやバソプレシンの投与を考慮
・ 誤嚥リスクあり:Awakeで事前に胃管挿入し吸引および減圧を図る。
・ 凝固能低下:FFP輸血
・ 腎機能低下:利尿を図って腎機能維持、術後のCHDFのためにUKカテーテルを挿入する。
問3 解答例
・ 導入前に局所麻酔下に動脈ライン(フロートラックセンサなど)を挿入。
・ 昇圧薬 (フェニレフリン、ノルアドレナリンや バソプレシン)の準備、投与
・ 輸液・輸血用の太いルートやCV、UKカテーテルの確保
問4 解答例
・ セボフルラン残存:ETSev、BISで確認
・ レミフェンタニル残存:ナロキソン投与
・ ロクロニウム残存:筋弛緩モニターで評価。残存に応じてスガマデクスで拮抗。
・ 低血糖、電解質異常:血液ガスで確認
・ フェンタニル IV-PCA の影響: 中止するか、ナロキソン投与で様子を見る。
・ 局所麻酔薬中毒: 投与量を確認。血中濃度など 評価はできないが、積極的に疑えば脂肪乳剤。
・ 中枢神経系疾患(脳出血や脳梗塞):瞳孔不同など確認、CT、MRI検査行う。
問5 解答例
・ 高マグネシウム血症
問6 解答例
・ 輸液・利尿薬・透析で排泄促進
・ グルコン酸カルシウムの投与
問7 解答例
・ 腸閉塞からの消化管穿孔、術式について
・ 敗血性ショックについて、カテコラミンの投与量について
・ in-out バランス
・ 酸素化や電解質など血液ガスのデータ
・ 麻酔内容と術後鎮痛 (IV-PCA)の内容
・ 高マグネシウム血症による覚醒遅延について
問8 解答例
・ 麻酔を担当しました〇〇と申します。
手術は無事終了しましたが、術後の覚醒が悪く、原因を調べたところ、術前から服用していた便秘薬によって血中のマグネシウム濃度が高く、それにより覚醒遅延を起こしていました。
すでに治療し状態が良くなったため、翌日には口に入っていたチューブも抜けています。
引き続き、ご本人の経過観察していきますのでよろしくお願いします。ご心配をおかけしました。