2023年解答例・解説 口頭試問 5-1

口頭試問

2023年の麻酔科専門医試験 筆記試験の過去問解説を行っていきます。

日本麻酔科学会公開の専門医試験過去問はHPから御覧ください(日本麻酔科学会HP)。

・ 高度肥満かつSASあり
・ Mallampati 分類:IV度
・ 開口3cmと不十分
・ 甲状オトガイ距離も短い
・ 頸部の放射線治療後で頸部可動域に制限がある場合あり.
・ COPD

・ 術後の呼吸不全: 高度肥満、元喫煙者、COPDという素因によって無気肺, 肺炎, 低酸素血症を起こしやすいため。
・ 心筋虚血: もともと虚血性心疾患あり、ステント留置中で抗血小板療法を行う可能性あるため
・ 心不全: もともとの心機能や心臓の壁異常、弁異常に加え、肺全摘による術後肺高血圧,右心不全になるリスクがあるため。

。 ノーマルチューブにチューブエクスチェンジャーを挿入し, それをガイドにビデオ喉頭鏡で観察しながらDLT を挿入します

・ 利点:片肺換気を行いながら非換気側の吸引操作を行うことができる点、気管支ブロッカーに比べてずれが起きにくい点や, ブロック側に容易にCPAP がかけられる点などがあります。
・ 欠点:チューブ自体が固めで太いため、 手技として比較的挿管が困難であったり、声帯気道圧迫による粘膜浮腫や損傷が起こりうる点、小児や小柄な成人では使用しにくい点などがあります。

・ PAP (肺動脈圧) 波形です

・ 肺動脈圧が表示されるはずが、楔入圧波形になっています (permanent wedge).
・ カフが脱気されているのを確認し、ゆっくり と引き, 肺動脈圧波形に変化するのを確認する。
ハーフクランプし楔入圧波形に戻る箇所で固定する。

・ 繰り返し血管壁圧迫による肺動脈損傷
・ 片側の肺血管抵抗上昇、右室後負荷上昇による右心不全

・ CVPの上昇
・ SpO2の上昇

解説

・ 肺血流は左肺動脈にのみ流れるため、右心負荷が上昇し、肺動脈圧および中心静脈圧の上昇が見込まれます。
・ 換気血流比は改善され、酸素化も改善される可能性があります。

・ Volume不足:鑑別としては、SVVやTEEでのボリューム評価、胸水の評価
・ 肺塞栓:PETCO2の低下, TEEで肺動脈の評価
・ アナフィラキシー:顔面~前胸部の紅潮や気管狭窄による気道内圧上昇
・ 心筋虚血: 心電図やTEEで心臓の評価
・ 緊張性気胸:肺エコーでlung slidingなし、聴診で左右差あり、気道内圧上昇確認

・ 出血。
根拠としては、CVPの低下、気道内圧の変化なし、TTEで変化なしで、消去法で出血の可能性が高い。

・ 気道内圧が上がらないように注意:気管支離断部からリークしてしまう可能性があるため。
・ 肺水腫にならないよう注意:肺全摘後は肺全摘後肺水腫のリスクあり、出血分の補正により大量輸液・輸血によって、肺水腫になりやすいため。
・ 抜管後の気道狭窄に注意: 大量輸液・輸血による気道や咽頭粘膜の浮腫のリスクがあるため。

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