2023年解答例・解説 口頭試問 1-2

口頭試問

2023年の麻酔科専門医試験 筆記試験の過去問解説を行っていきます。

日本麻酔科学会公開の専門医試験過去問はHPから御覧ください(日本麻酔科学会HP)。

問題点
①高血圧: 治療内容 コントロール状況
②高度肥満: 睡眠時無呼吸症候群の有無 (いびき など家族に聴取) 気道評価
③糖尿病: 治療内容 コントロール状況 糖尿病三徴の有無
確認すべき点、診療内容
・COPD.肺切除後: ADL の聴取, Hugh-Jones 分類評価

・ 気管の右弯曲
・ 角度の急な左主気管支の分岐

解説

気管の右弯曲、角度の急な左主気管支の分岐により, DLT の左気管支ルーメンの留置角度がきつくなり、チューブが浅くなりやすいため、両肺換気にならないようにのが注意します。

① 右用DLT: 右上葉枝に適切に側孔を合わせることが必要
② 気管支ブロッカー : 固定位置がずれやすい, 脱気が行いにくい

① アナフィラキシーショック
② 緊張性気胸
③ 気管支痙攣

行われるべき治療
・ 右の分離肺換気
具体的な方法
・ 鎖骨中線第2肋間を14,or16Gの針で穿刺し脱気します。
・ 胸腔ドレーンをここでいれるか, 分離肺換気のまま体位をとってそのまま手術開始してもらうかは相談。

① 胸部傍脊椎ブロック
② 肋間神経ブロック

① 肋間神経ブロック:外側皮枝が分岐する手前の内肋間筋と最内肋間筋の間に注入
② 傍脊椎ブロック:椎体, 上肋横突靱帯, 壁側胸膜に囲まれる部分に注入

・ 麻酔を担当させて頂きました麻酔科〇〇です。術前に説明していた硬膜外への穿刺も難しく、適切な部位に留置できませんでした。
穿刺が原因かは分かりませんが、麻酔中に緊張性気胸という肺の一部に穴が空いてしまう状態になりましたので、呼吸ができるように緊急で対応しました。
鎮痛方法に関しては、別の効果的な神経ブロックという鎮痛法があるため,そちらを行わせてください。
ご心配おかけして申し訳ありません。よろしくお願いします。

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