2023年の麻酔科専門医試験 筆記試験の過去問解説を行っていきます。
日本麻酔科学会公開の専門医試験過去問はHPから御覧ください(日本麻酔科学会HP)。
問1 解答例
・ SGLT2阻害薬は手術3日前から休薬します。
・ 理由: 低血糖リスク、周術期の絶食やストレスによる糖尿病ケトアシドーシスのリスクがあるため。
問2 解答例
・ ヘパリン持続静注は、硬膜外麻酔の6時間程度前に中止し、入室時にACTを測定する。
・ 術後経口摂取可能になるまでヘパリン持続静注が再開されると思われますが, 硬膜外カテーテル抜去前の2~4時間前に中止する。抜去後もヘパリン再開までは2時間程度空けます。
問3 解答例
・ 循環血液量の補正
・ 血圧の補正
・ 電解質異常の補正
・ アシドーシスの補正
問4 解答例
・ 手のあいている麻酔科医を呼ぶ
・ 加温
・ 輸血在庫の確認、必要があればOPE室に持ってきてもらう。
・ 採血(血液ガス, 血算, 凝固)、トロンボエラストグラム
問5 解答例
・R の延長, MA の低下があり、凝固因子低下が疑われますので FFPやクリオプレシピ テートを投与します。
問6 解答例
・ 麻酔薬の残存
・ 筋弛緩薬の残存
・ 鎮静薬の残存
・ 低体温
・ 脳出血や脳梗塞
問7 解答例
・ 硬膜穿刺後頭痛 (PDPH)
問8 解答例
・ 麻酔を担当させて頂きました麻酔科〇〇です。
硬膜外麻酔が難しく, 穿刺時に硬膜という膜が一部破れてしまい、髄液が硬膜の外に漏れていることが原因です。
治療としては、1つ目は、水分摂取とカフェイン、鎮痛薬の摂取をし、数日~2週間程度経過観察をするという治療で、もう一つは、硬膜外に自分の血液を投与して穴をふさぐ自己血パッチという方法があります。
後者はすぐに改善する場合があるという利点があります。